いつか見た船

迷える子羊とその日記

ド素人がZoteroの英文引用スタイル(社会学評論スタイルガイド)を夏休みの自由研究に作った話

0.はじめに

社会学評論スタイルガイドは有志の方が非公式版を作ってくださっていますが、私は英文の文献が多く、毎度毎度せこせこと手打ちで修正するのにブチギレました。もう締め切り前夜枯渇したリソースを引用のために使用したくない人のためのアレ。終わったら寝たいんだ! これを自動化できなくて何のためのプログラムなのか! 労働などロボットに任せればよいのだ! 失礼しました。

 

 

 

画像がでかいけど気にしないでください。

 

 

1.編集できるようにするまで

1-1.スタイルエディターが見つからない

公式が言う「設定」タブなんか(Macだからか?)存在しませんが、「環境設定」を見つけてください。一番下に「引用スタイルエディタ」があるのでそれをクリック。

1-2.どれをもとにしたらいいですか

詳しい人は適当なスタイルを一から編集しても行けそうだけど、自分はCapitalism Nature Socialismが一番近そうなのでそれにした。大本は社会学評論スタイルガイドなので、それらを組み合わせればそれなりのものができるだろうと。

自分の引用スタイルと類似したスタイルのCSLファイルを入手したらダブルクリックでインストールしてね。または(素人ゆえ本当にor条件かは不明)、Zoteroタブの環境設定から引用タブを開いて、引用形式がずらっと並んでる下の+をクリックしてインストール。

1-3.エディターのプルダウンにスタイルが表示されないけど!?

Capitalism Nature Socialismだけど、エディタで開けなかった。別のもうちょっと新しいやつにしたら開けた。更新日が2014年だったから非対応だったのかも。

 

2.正念場

これを片手に目を皿にしましょう。私はauthor-dateスタイルになりますが、脚注で引用するスタイルをどう指定するかもここに書いてあるっぽい。

2-1.英語と日本語で引用形式をわけるよ

結論からいうと分けられないみたいです(→2-2へ)。

英文のものと、日本語ので引用形式が違うので、まずtitleを英語と日本語と分けて定義する必要がある(いきなり難しいのがきた)。基準はtitleが英語(アルファベット)で記載されているか、日本語で記載されているか。

しかし、

CSL Editor では、日本語文献のスタイルも作成することができます。しかし、同じ論文の参考文献リストの中に英語文献と日本語文献が混在し ている場合に、別々のスタイルを適用することはできません。たとえば、複数の著者名を省略する際に、英語文献では 「et al.」、日本語文献で は 「など」 を使い分けることはできません。」(MendeleyのCSL利用ガイド*1) 

いきなり暗礁に乗り上げた。Mendeleyだと言語別ができるみたい(ibid.: 53)。

というわけでZotero版のこちらでは、複数の引用スタイルを使い分けることにして、……つまり社会学評論スタイルガイド準拠の英語文献版を新しくつくることになるね。 

え、これ訳書とかどうなるの?(というかZoteroで原著・訳書情報を同時に一つのファイルに登録できたっけ?)

 

 

2-2. どの部分がどの情報を指定しているのか確認する

 

詳しい人は読み飛ばして。この中では、< >ではじまり</ >でおわります。info(作成者などの情報)は<info>から</info>までです。この下位情報には名前(<name></name>で指定)とかメールアドレスとかが含まれてて、それらが入れ子構造になっているわけね。なので、まずどこからどこまでで、何の引用の情報が指定されているかを確認してください。で、ずらずらと書いてあるやつを分類します(ド素人なので)。まずは<macro>から</macro>まで。ちなみに私が開いてたやつでは<macro name>から</macro>で閉じてあったりもしました。

テキストエディタの仕様上、一度に二つのスタイルを開いておくことは不可能なので、ちょこまかと保存しながらやるよ。

まずは感覚をつかむために名前とか編集してみる。有効でない形式になると下の欄でエラー吐くから参考にしてください。もともと有効な形式を元に編集するメリットはまさにここにあります。

どこからどこまでが何の引用情報か確認したら、自分の引用スタイルと照らし合わせて、エディタ上で編集が必要なものを確認します。

 

2-2-1.マクロがどの欄について指定しているのかさっぱりわからないが?

さもありなむ。では自分の引用スタイルをまずは開いてみて引用してみましょう。それで何が足らないか見てみてくださいな。

私がよく使うのは、雑誌記事、ウェブ記事、編著、書籍、みたいな感じなので、それらに対する指定を見ます。DOIに対する指定とかはいじらなくてよし。

 

まずは雑誌記事。ライブラリ内から適当に取ってきました。

Kennedy, H., T. Poell and J. Van Dijck (2015), ‘Data and Agency’, Big Data & Society, 2 (2), 1–7.

これを、

Kennedy, Halen, Thomas Poell and Jose Van Dijck, 2015, "Data and Agency," Big Data & Society, 2(2): 1-7.

にしたいわけです。

 

情報の順番は同一ですが、著者名の形式(フルネームかどうか)、年号の区切りかた、そしてカッコの種類、終わりカッコの中にカンマが入るかどうか、ページ前はカンマじゃなくてコロンであること、巻が太字かどうかが違うわけです……けっこうちがうな……。 

 

2-3.具体的にいじるよ!

別窓で文献指定してるとテキストエディタの下の欄で結果まで表示してくれる。たいへんすばらしい。

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et-allの仕様を文面と突き合わせて確認してた。上の欄にet-allの仕様の指定と、下に(Zoteroのいつもの画面で文献を指定していると)適用後の結果が表れる。


というのは、社会学評論スタイルガイドって、確かet-allは4人からなんですよ。3人だと(A, B and C)になるはずなんです。なので、et-al-minを4に指定。

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とりあえず一つできたー!

 

 

2-4. 著者情報をいじる

まずはどこが著者情報なのか確認する。

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著者についての情報をピックアップした。具体的には、<macro name="author">に類するものを選んでいる。

あとは一個一個情報を抜いたり足したりしながら整合性をなんとかするだけ。だけとか言ったけどそれが一番難しい。名前を省略する命令は 「initialize-with=". "」らしい。「name-as-sort-order="first"」は最初だけ名前と苗字を倒置する命令(firstをallにすれば全てひっくり返る)。ここまで余裕で1時間かかった。あ、それから、 <text macro="year" prefix=", " suffix=", "/>これは年次情報の前と後ろを括弧内の任意の文字(?)でリプレイスするよ、という命令です。quotes="true"が「' '」での引用ですから、ダブルクォーテーションにする…ときにはどうすればいいかをネットで調べます。

でもわからなかった(30分経過)。

追記:できた。&#8216;がシングルクオテーションマークなので、近くの番号にダブルクォーテーションがあるだろうと思ったらあった。&#8220;がダブルクォーテーションの始まり、&#8221;がダブルクォーテーションの終わりです。

 

3.むすび

今日は疲れたのでとりあえずここまで。たぶん続ける。けっこうおもしろい。

(2021年1月10日追記:続きませんでした)

 

 

 

*1: