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いつか見た船

迷える子羊とその日記

トランプの勝利が意味するもの

NHK11でこんなシーンがありました。

 


トランプ氏の勝利に対して、制服姿の小学生が四人街角のテレビの前に立っている。左端の女子が、「なんでトランプなの!? 絶対なっちゃいけないのに!」と地団駄を踏む。

 

 

いや、あのね。全く問題ありませんよ。


彼は正しい手段でその地位を勝ち取ったんです。それが倫理的にどうかは別の問題です。これが民主主義です。

 

 

そもそもトランプの支持者層は白人の低所得者層でした。移民は成功している(そもそも移民できるような人だったら大方は)のになぜ俺たちは! ヒエラルキーをピラミッドに例えれば中間、真ん中から下が支持者層になるわけです。単純に考えても四倍になりますね? それをどのツラ下げて予想外だったとか言うんですか。それに備えるのが仕事じゃないんですか。政府もクリントン全面支援でリスクヘッジがなっていません。今頃大慌てでしょうね。

 

対してクリントンはエリート層の支援を得ています。NBCの選手やビヨンセと一緒にキャンペーンしてましたね。トランプほど単体での求心力がないからですよ。
彼女を選ぶことはトランプを選ぶことに対して「無難」というか、ある意味「予想通り」です。しかしそれがいい人と、それではいけない人がいる。
アメリカのリベラル系新聞がこぞって予想外を報道したのは、リベラル系新聞(記者)の層に理由があります。リベラルはエリート層です。エリート層はシステムに適合した、ある意味でシステムに守られた人々です。システムに守られない人々、一生懸命システムの中に入ろうとする人、そんな人たちの方がずっと多いんです。日本だってそうでしょ。

 

 

冒頭の話に戻りますが、「絶対なっちゃいけない」人がなぜ「なっ」たのか。まずそこから考えるべきです。そもそも「なっちゃいけない」と「なる」には質的に乖離がある。そこにあるのは理想と現実の相克であり、それに飽き飽きした人がトランプに救いを求めるのです。クリントンはエリート層なので、よいことを体現していたとしても、それは理想だから、心には届かないんです。理想は一足飛びには実現しないから。それをゆっくり埋めて行くしかない、そしてその長い道のりに耐えられるのは、状況のいい人だけです。その間にも格差は拡大する。

 

 

トランプの勝利は人間性の敗北です。現代は人間性を培いはしなかった。人間の心は人間自身を食い破ってしまった。

 

 

 

そういえばポリビオスの政体循環史観は、民主主義の次を衆愚政としていましたねえ。